こんばんは。しいです。
看護師人生のほとんどを施設看護師として働き、昨年終末期ケア専門士取得しました。実は自分もタイトルの通り親の介護っていつから始まるんだろう?と悩んでいる世代です。
施設に入所されている方は様々な病気があります。この関わり方が正しいなんてものはありません。
ただ、関わらせていただく中で勉強させてもらい、経験上こんな風になったら介護や支援が必要かな?と思っていることがあります。
今回は、元気な親に対してどこまで自分が介入すればいいのか?自分なりの見解をまとめていきたいと思います。
元気な親とは?
元気な親の場合、介護のことは心配ありません。ですが、
・自分で行きたいところへ行ける。
・欲しいものが買える。
・排泄や食事・洗濯や掃除が一人でできる。
当たり前のようですが上記がおおかた出来ていればひとまず安心です。
なんだか当たり前のことを書いているような気がしますが、当たり前のことができることが大切と考えます。
これが出来ないとちょっと心配になってきますね。
思い切って親に直接聞いてみよう
・同居の場合は、普段の会話で聞いてみよう。
・別居の場合は、次会ったときに聞いてみよう。
親の職業や経験によってはいきなりすぎて驚くかもしれません。(医療福祉の職業や介護経験のある方は想像がしやすいですが、なかなかイメージできないのが現状です)介護や病気のニュースや周りの方のエピソードなどに関連づけて話をしてみるもいいかもしれません。
同居の場合は、普段の会話で聞いてみよう。
普段、一緒にゆっくりしている時やニュースで介護関連のものが出た時など、タイミングが合えば聞いてみましょう。どんな死生観や介護感を持っているのか?わかるかもしれません。もしかしたら、親も誰かを介護した経験があるかもしれません。その時にどのような気持ちだったのか?わかるかもしれません。
どんな介護をしてほしいのか?はっきりとは言わずとも何か感じ取ることができるでしょう。
別居の場合は、次会ったときに聞いてみよう。
久々に会った時になんでそんなことを聞くの?って思われるかもしれません。ご家族との関係性次第ですが聞けそうな雰囲気であれば聞いてみてください。同居の場合と同じように、どんな死生観や介護感を持っているのか?わかるかもしれません。もしくは、親も誰かを介護した経験があるかもしれません。その時にどのような気持ちだったのか?わかるかもしれません。
どんな介護をしてほしいのか?はっきりとは言わずとも何か感じ取ることができるでしょう。
自分だったらどうして欲しいか?考えてみよう
・自分が介護状態になったらどうして欲しいですか?
・家族にはどうして欲しいですか?
自分のことを考えることで親への介護がみえてくる。ような気がする。
家族にはどうして欲しいですか?
放っておいて欲しい?手厚くして欲しい?放っておくならどこまで放っておいてほしい?もし介護してもらうのが子供だったら?子供が結婚していたら?子育て中だったら?離れていたら?金銭的に余裕がない状態だったら?どうして欲しいのか?考えてみましょう。
元気なうちにできること(通帳・カード・保険証・生命保険)
・通帳と印鑑
・カード(暗証番号)
・保険証(マイナンバーカード)
・生命保険
どこにあるのか?だけでも把握しておきましょう!
とあるエピソードですが、私が新人ナースの時のことです。奥さんが突然意識不明になって入院してしまい、ご主人が「通帳や印鑑は妻に任せていたからどこにあるのかわからない。思いつくところを探すけど見つからない」と毎日病室へ来ては嘆いていました。今でもなぜかよく覚えています。
親が元気なうちにこんなことを聞くと流石の親も子供に警戒すると思います。別に知ったからといってどうするというわけでもないんです。でも、もしもの時はそこを一番に探しますね。ということです。
私は自分の親と同居なのですが、どこに置いておくかを決めています。思い出した時に話題にするようにしています。でも実際はないんだろうなぁというオチまで想像していますが。。。
こちらも知ったところで悪用するつもりもありません。ただ、介護や入院で必要な時に引き出せたらなと考えているんです。
保険証(マイナンバーカード)
マイナンバーカードは元気な親は自分で作っている場合もあります。私の親は二人ともイオンや駅で作っていました。WAONポイントもしっかりもらっています。元気な親はちゃっかりしています。
親のマイナンバーカードのメリットは「限度額認定証」を申請しなくても使用できる点です。入院したときはマインバーカードがあるとかなり便利だと思います。今までの限度額認定証は申請しないともらえないものでした。マイナンバーカードは病院でだすと「限度額認定をしますか?」の質問が出てくるので「はい」とすれば勝手に計算してくれるのです。便利だと思いませんか?
余談ですが、自分が受診した時も必ず限度額認定は「はい」にしています。クセにするようにしています。
生命保険
私も母親の保険会社に事前登録しました。母親と父親の保険会社から送られてきた書類を預かっています。「安心だから」と母親から預かりました。
元気なうちにできること(病歴まとめ・病院まとめ)
・生い立ち
・病歴・入院歴・手術歴
・かかりつけ病院
・かかりつけ以外に定期的に通っている病院
介護が必要な状態になった時に以下のことをケアマネージャーさんや施設の相談員さんから聞き取りがあることをお知らせしておきます。事前に親から聞いておくことでスムーズに答えられるようになります。もし可能であればメモをしておいてもしもの時はそれを見せれるようにしておくと、「わからないです〜」と返答に困ってしまう場面が少なくなるでしょう。
(例)40代の頃から高血圧で内服治療開始
平成23年5月ごろ 胆嚢炎 〇〇病院へ入院。(胆嚢摘出術)
平成27年12月ごろ 肺炎 △△病院へ入院。
こちらは入院した時に病院の看護師さんから聞き取りされます。介護状態になる前に聞かれる可能性が高いです。元気な親が意識がある状態で入院していれば本人に直接聞きますが、ご家族に聞くことも多いです。こちらも「分かりません」と言われるご家族が多いです。メモを残しておくことでスムーズに答えらるでしょう。
元気な親は、元気ですからあまり病院に行きたがらない方も実際にいらっしゃいます。それも「病院にはあまり行きたがらなかった」といことがわかっていれば大丈夫です。
元気なうちにできること(もしもの時のこと)
・延命について
・人工呼吸や心臓マッサージについて
・口から食べられなくなった時について
・看取りについて
ですが、後からこうして欲しかったのにと言われることもしばしばあります。もしくは、病状説明を聞いていない家族が物申すこともあります。
お医者さんも決められないこともあるので直接本人に聞いてみるのも1つの方法です。今までの人生で死生観を持っていると思うので親に聞いてみてください。
人工呼吸や心臓マッサージは回復の見込みがある場合は有効な手段です。体力が低下している高齢者は回復の見込みがないことが多いです。
介護度が高かったり、高齢であったりすると骨粗鬆症が進んでおり、心臓マッサージを行うことで骨がボキボキ折れてしまいます。心臓マッサージは結構力を入れて行わないと意味がないからです。実際に心臓マッサージをした場合、骨が折れる感触が手に響くこともあるそうです。
親に聞いたら「そこまでしなくていい」とか「決められない」「任せる」とか言われると思います。今決めたことを絶対に言わないといけないというわけではなく、今の気持ちを聞いてみるという感じです。
病院であれあば状態によって対応が違ってくると思いますが、栄養のある点滴をするか鼻に管を入れて注入食という栄養のあるものを流すということが考えられます。栄養を取らないと生きてはいけません。この場合でも医師から確認があると思います。今後どうされますか?と
胃瘻といって胃に管を作って直接注入する場合もあります。
もちろん点滴も鼻からの栄養も、胃からの栄養も希望されないこともできます。医師の判断が大丈夫であれば「看取り」ということになります。
「迷惑かけたくない」なら一緒に準備!
色々聞いてくる私たちに元気な親は言うでしょう「迷惑はかけないから」と。今は元気でやっているのでいいのですが、介護状態もしくは病院に入院した後が大変になります。あんまりしつこいと不謹慎だと思われるかもしれませんね。少し間を置いてでもいいので頃合いを見てまた連絡しましょう!
お葬式の規模も聞いてみよう
とある方のお父様のお話です。がんの末期状態と知っていらっしゃった様で自分の葬儀の予約をしていらっしゃいました。遺影の写真や葬儀のプランやオプションまで決めていたそうです。その話を聞いた時はすごいお父様だなぁと思いました。
元気な親にとっては程遠いお話かもしれません。最近は「ちいさなお葬式」と言うものも聞きます。そもそも葬儀をしないこともある様です。時代が変わると葬式も変わります。
このご時世。お葬式も参列をすることが少なくなっています。最近のお葬式を一緒に調べてみるのもいいかもしれません。
最後に:いっぱい話そう!
元気な親と今度のことを話すと言うことは、結果的に親との思い出が増えていくことになります。
介護状態になってから、病気になってから思うのです。「たくさん合っておけばよかった」「たくさん話しておけばよかった」と。
その様な光景を見て私は思います。元気なうちにたくさん思い出を作った方がいい。介護状態になる前に病気になる前にもっとたくさん思い出を作っておこう。たくさんのケースから学ばさせていただいています。
元気な親と今後のことを考えながらたくさん話して思い出を残しましょう!
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!