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【施設看護師】親の介護を悩むあなたへ(親が元気な場合)

こんばんは。しいです。

看護師人生のほとんどを施設看護師として働き、昨年終末期ケア専門士取得しました。実は自分もタイトルの通り親の介護っていつから始まるんだろう?と悩んでいる世代です。

施設に入所されている方は様々な病気があります。この関わり方が正しいなんてものはありません。

ただ、関わらせていただく中で勉強させてもらい、経験上こんな風になったら介護や支援が必要かな?と思っていることがあります。

今回は、元気な親に対してどこまで自分が介入すればいいのか?自分なりの見解をまとめていきたいと思います。

元気な親とは?

元気な親の場合、介護のことは心配ありません。ですが、

元気な親とはどんな状態か?
・自分で行きたいところへ行ける。
・欲しいものが買える。

・排泄や食事・洗濯や掃除が一人でできる。

当たり前のようですが上記がおおかた出来ていればひとまず安心です。

自分で行きたいところへ行ける
車や電車やバス、歩き、どんな手段でも行きたいところへ自分で行けることは大切です。例えば、腰が痛いから病院へ行きたいなぁとか、ラーメンが食べたかったら食べに行った。友達とランチに行った。お歳暮を送りに行ってきた。家の中でも庭に行く、トイレへ行く、お風呂へ行く。ゴミを出しにく。

なんだか当たり前のことを書いているような気がしますが、当たり前のことができることが大切と考えます。

 

欲しいものが買える
お金の管理ができる。大人になるとお金がないと生きていけません。トマトが健康にいいとTVで言っていたから買いたい。年金が振り込まれたから引き出しに行く。ヤクルトに支払いをする。ラーメンを食べにいく。

これが出来ないとちょっと心配になってきますね。

 

排泄や食事・洗濯や掃除が一人でできる。
書いていて本当に当たり前なことですが、このような基本的なことが出来なくなっていきます。行きたいところに行けなくて、お金の管理ができなくなっても、この基本的な生活のうち、排泄や食事ができていれば身体的な介護の必要はないので結構助かると思います。
 
 

思い切って親に直接聞いてみよう

今だからできる、思い切って親に直接聞いてみよう!
・同居の場合は、普段の会話で聞いてみよう。
・別居の場合は、次会ったときに聞いてみよう。

親の職業や経験によってはいきなりすぎて驚くかもしれません。(医療福祉の職業や介護経験のある方は想像がしやすいですが、なかなかイメージできないのが現状です)介護や病気のニュースや周りの方のエピソードなどに関連づけて話をしてみるもいいかもしれません。

同居の場合は、普段の会話で聞いてみよう。

普段、一緒にゆっくりしている時やニュースで介護関連のものが出た時など、タイミングが合えば聞いてみましょう。どんな死生観や介護感を持っているのか?わかるかもしれません。もしかしたら、親も誰かを介護した経験があるかもしれません。その時にどのような気持ちだったのか?わかるかもしれません。

どんな介護をしてほしいのか?はっきりとは言わずとも何か感じ取ることができるでしょう。

 

別居の場合は、次会ったときに聞いてみよう。

久々に会った時になんでそんなことを聞くの?って思われるかもしれません。ご家族との関係性次第ですが聞けそうな雰囲気であれば聞いてみてください。同居の場合と同じように、どんな死生観や介護感を持っているのか?わかるかもしれません。もしくは、親も誰かを介護した経験があるかもしれません。その時にどのような気持ちだったのか?わかるかもしれません。

どんな介護をしてほしいのか?はっきりとは言わずとも何か感じ取ることができるでしょう。

自分だったらどうして欲しいか?考えてみよう

想像してみましょう。自分だったらどうして欲しいか?
・自分が介護状態になったらどうして欲しいですか?
・家族にはどうして欲しいですか?

自分のことを考えることで親への介護がみえてくる。ような気がする。

 
 
自分が介護状態になったらどうして欲しいですか?
介護状態になってもギリギリまで自宅で過ごしたい?施設に入れてほしい?ちょっと厳しい選択になると思うので気持ちが落ち込み安い方は無理しなくてもいいです。想像してみてください。家族状況や金銭的な問題も関係してきます。もちろんどんなに計画していても成り行きにしかことはすすみません。今の気持ちを想像してみることで親へどんなふうに介護していきたいか?にも繋がると思います。
 
 

家族にはどうして欲しいですか?

放っておいて欲しい?手厚くして欲しい?放っておくならどこまで放っておいてほしい?もし介護してもらうのが子供だったら?子供が結婚していたら?子育て中だったら?離れていたら?金銭的に余裕がない状態だったら?どうして欲しいのか?考えてみましょう。

元気なうちにできること(通帳・カード・保険証・生命保険)

親が元気なうちにできること、介護はここから始まっていると言っても過言ではありません。
・通帳と印鑑
・カード(暗証番号)
・保険証(マイナンバーカード)
・生命保険

どこにあるのか?だけでも把握しておきましょう!

通帳と印鑑
どこに普段置いているのか?だけでも把握しておきましょう。親の介護が必要になる時に真っ先に必要になるのはお金です。
とあるエピソードですが、私が新人ナースの時のことです。奥さんが突然意識不明になって入院してしまい、ご主人が「通帳や印鑑は妻に任せていたからどこにあるのかわからない。思いつくところを探すけど見つからない」と毎日病室へ来ては嘆いていました。今でもなぜかよく覚えています。

親が元気なうちにこんなことを聞くと流石の親も子供に警戒すると思います。別に知ったからといってどうするというわけでもないんです。でも、もしもの時はそこを一番に探しますね。ということです。

私は自分の親と同居なのですが、どこに置いておくかを決めています。思い出した時に話題にするようにしています。でも実際はないんだろうなぁというオチまで想像していますが。。。

 
カード(暗証番号)
これは、通常は財布ですね。暗証番号については、通帳や印鑑の保管場所と同じ場所にメモでおいておいて欲しいとお願いしています。母親の方の暗証番号は知っていますが、父親の方の暗証番号は知りません。

こちらも知ったところで悪用するつもりもありません。ただ、介護や入院で必要な時に引き出せたらなと考えているんです。

保険証(マイナンバーカード)

保険証も財布が多いかな?別で受給者証などとカードケースにまとめていることもあるかもしれませんね。ということは普段使いのバックの中にはあるかもしれませんね。

マイナンバーカードは元気な親は自分で作っている場合もあります。私の親は二人ともイオンや駅で作っていました。WAONポイントもしっかりもらっています。元気な親はちゃっかりしています。

親のマイナンバーカードのメリットは「限度額認定証」を申請しなくても使用できる点です。入院したときはマインバーカードがあるとかなり便利だと思います。今までの限度額認定証は申請しないともらえないものでした。マイナンバーカードは病院でだすと「限度額認定をしますか?」の質問が出てくるので「はい」とすれば勝手に計算してくれるのです。便利だと思いませんか?

余談ですが、自分が受診した時も必ず限度額認定は「はい」にしています。クセにするようにしています。

 
 

生命保険

通帳の次に必要かもしれません。元気な親は生命保険に入っていることが多いです。死亡時だけではなく、入院や介護状態になるともらえるものあるはずです。どんな保険に入っているのか?保険証券はどこにあるのか?確認してみましょう。できれば通帳や印鑑と同じ場所に置いていてもらえると助かりますね。可能であれば、受取人は一番動いてくれる人にしておいてもらえると助かりますね。基本的に保険金の申請は本人でないと出来ませんが、高齢の場合は事前に登録した家族が申請できるようになっています。活用できるために保険会社と親と一緒に登録してみるのもいいですね。
介護状態で施設入所になっても入院することがあります。実際に、がん保険に入っているからがんの診断だけでもして欲しいと外来受診や生検される方もいらっしゃいました。高齢の方は治療の対象から外れることが多いですが、診断されただけで〇〇万円など保険の種類によってはあります。もし、保険に入っていたら給付対象になるかもしれません。せっかく入っている保険が無駄にならないように確認してみてくださいね。

私も母親の保険会社に事前登録しました。母親と父親の保険会社から送られてきた書類を預かっています。「安心だから」と母親から預かりました。

元気なうちにできること(病歴まとめ・病院まとめ)

直接聞けるうちに聞きましょう、親が元気なうちにできること
・生い立ち
・病歴・入院歴・手術歴
・かかりつけ病院
・かかりつけ以外に定期的に通っている病院
 
生い立ち
自分のことを普段からよく話してくれる親であれば改めて聞く必要ありません。もしあまり話したがらないようであれば無理に聞く必要はありません。どんな子供だったの?とか若い時ってどんな仕事していたの?とかお母さんとの馴れ初め教えてよ。など細かく刻んで時々聞いてみるのもいいかもしれませんね。

介護が必要な状態になった時に以下のことをケアマネージャーさんや施設の相談員さんから聞き取りがあることをお知らせしておきます。事前に親から聞いておくことでスムーズに答えられるようになります。もし可能であればメモをしておいてもしもの時はそれを見せれるようにしておくと、「わからないです〜」と返答に困ってしまう場面が少なくなるでしょう。
どこで生まれてどんな幼少期だったのか?最終学歴や結婚した年齢。子供は何人いるのか?どんな仕事をしていたのか?趣味や近所との付き合いはどうだったのか?子供が独立後・晩年は誰とどこで暮らしていたのか?
なぜ上のようなことを聞く必要があるのか?疑問に思われるでしょう。その方の介護をさせていただくにあたり、その方がどんな人生を歩んできたのか?人柄や人間性はどんな方なのか?を知るためのヒントとなるからです。例えば目の前の方がすでに寝たきりでお話もできない状態だっととします。どんな方なのか?わからずに介護はできません。その方らしさを介護に反映させていただきたいです。
 
病歴・入院歴・手術歴
若い頃から今まで、どんな病気があったのか?今では治療していなくても手術したり入院したことがあれば把握しておいた方がいいです。
何年何月ごろ 何の病気でどこの病院に入院したのか?(手術したのか?)

(例)40代の頃から高血圧で内服治療開始
   平成23年5月ごろ 胆嚢炎 〇〇病院へ入院。(胆嚢摘出術)
   平成27年12月ごろ 肺炎   △△病院へ入院。

元気な親に見えて、意外と入院歴あるものです。胆嚢を摘出したとか骨折で入院したとかです。生い立ちの時に言われる可能性もあります。

こちらは入院した時に病院の看護師さんから聞き取りされます。介護状態になる前に聞かれる可能性が高いです。元気な親が意識がある状態で入院していれば本人に直接聞きますが、ご家族に聞くことも多いです。こちらも「分かりません」と言われるご家族が多いです。メモを残しておくことでスムーズに答えらるでしょう。

 
 
 
かかりつけ病院
今、どこの病院に通っているのか?1ヶ月に1回お薬をもらいに行く病院がかかりつけです。何の病気の治療中なのか?を把握しましょう。特に病気がない場合でも、風邪をひいた時やインフルエンザの予防接種を受けている病院はどこになるのか?を聞いてみましょう。
元気な親は、元気ですからあまり病院に行きたがらない方も実際にいらっしゃいます。それも「病院にはあまり行きたがらなかった」といことがわかっていれば大丈夫です。
 
かかりつけ以外に定期的に通っている病院
歯医者や眼科や耳鼻科・整形外科がこれにあたります。他にも、ペースメーカーが入っていたらペースメーカーをチェックするために1年に1回行く病院や何かの術後の経過を見るために半年に1回通っていたりします。心臓の検査を定期的にしていれば大きな病院の循環器に通っているかもしれません。または、精神的に不安定な方の場合は、心療内科に通っていることもあります。
元気な親はどこにでも自分たちでちゃんちゃん行けるのでいろんな病院に通っています。本人のライフワークとなっているので元気なうちは見守っていましょう。
 

元気なうちにできること(もしもの時のこと)

一番大切なこと、もしもの時のこと
・延命について
・人工呼吸や心臓マッサージについて
・口から食べられなくなった時について
・看取りについて
延命について
この話題が一番話しづらいかもしれません。病院は基本的に命を助けるための行動をします。本人の意思が確認できない場合、ご家族に意向の確認があります。延命とは命を繋ぐ行為のことです。ご家族がどこまでを希望されるのか?を確認されるのです。呼吸が自分でできない場合は人工呼吸器をして欲しいか?気管切開をして欲しいか?心臓マッサージをして欲しいか?お口から食べられなくなった場合は、鼻や胃から管を入れて栄養を入れて欲しいか?それとも自然にまかせて看取りを希望するか?
ご家族は自分たちでは決められないと言われることも多いです。「先生にお任せします」と言われることもあります。
ですが、後からこうして欲しかったのにと言われることもしばしばあります。もしくは、病状説明を聞いていない家族が物申すこともあります。

お医者さんも決められないこともあるので直接本人に聞いてみるのも1つの方法です。今までの人生で死生観を持っていると思うので親に聞いてみてください。

 
人工呼吸・心臓マッサージ
元気な方が突然倒れた際にAED(自動体外式除細動器)を使ったら意識を取り戻したという話を聞いたことがあると思います。高齢者施設にもあります。突然意識がなくなり、呼吸が止まった方に使用することもあります。AEDの中の心電図で必要と判断されれば電気ショックが流れる仕組みです。私の経験上高齢者施設でこの電気ショックが作動したことはありません。

人工呼吸や心臓マッサージは回復の見込みがある場合は有効な手段です。体力が低下している高齢者は回復の見込みがないことが多いです。

介護度が高かったり、高齢であったりすると骨粗鬆症が進んでおり、心臓マッサージを行うことで骨がボキボキ折れてしまいます。心臓マッサージは結構力を入れて行わないと意味がないからです。実際に心臓マッサージをした場合、骨が折れる感触が手に響くこともあるそうです。

親に聞いたら「そこまでしなくていい」とか「決められない」「任せる」とか言われると思います。今決めたことを絶対に言わないといけないというわけではなく、今の気持ちを聞いてみるという感じです

口から食べられなくなった時
呼吸はできるし意識はあるが、認知症の進行や機能的な問題でお口から食べられなくなってしまうこともあります。
病院であれあば状態によって対応が違ってくると思いますが、栄養のある点滴をするか鼻に管を入れて注入食という栄養のあるものを流すということが考えられます。栄養を取らないと生きてはいけません。この場合でも医師から確認があると思います。今後どうされますか?と

胃瘻といって胃に管を作って直接注入する場合もあります。

もちろん点滴も鼻からの栄養も、胃からの栄養も希望されないこともできます。医師の判断が大丈夫であれば「看取り」ということになります。

多くの親は、「食べられなくなったら自然でいい」と言われることもあります。元々話し合っていた場合は「母は希望していなかったのでしなくてもいいです」ときっぱり言われることもあります。話し合っていない場合は「お任せします」「決められない」と言われることもあります。確かに、決めることは難しいと思います。いろんな人に相談してネットで調べてりしてみるのも一つですね。
看取り
病気が進行してしまった時や医療では回復の見込みがない場合、看取りのお話が出ると思います。お看取りは時間の流れがゆっくりとしたものになるかもしれません。自宅や病院や施設で
 
 
 

「迷惑かけたくない」なら一緒に準備!

色々聞いてくる私たちに元気な親は言うでしょう「迷惑はかけないから」と。今は元気でやっているのでいいのですが、介護状態もしくは病院に入院した後が大変になります。あんまりしつこいと不謹慎だと思われるかもしれませんね。少し間を置いてでもいいので頃合いを見てまた連絡しましょう!

 

お葬式の規模も聞いてみよう

とある方のお父様のお話です。がんの末期状態と知っていらっしゃった様で自分の葬儀の予約をしていらっしゃいました。遺影の写真や葬儀のプランやオプションまで決めていたそうです。その話を聞いた時はすごいお父様だなぁと思いました。

元気な親にとっては程遠いお話かもしれません。最近は「ちいさなお葬式」と言うものも聞きます。そもそも葬儀をしないこともある様です。時代が変わると葬式も変わります。

このご時世。お葬式も参列をすることが少なくなっています。最近のお葬式を一緒に調べてみるのもいいかもしれません。

 

 

最後に:いっぱい話そう!

元気な親と今度のことを話すと言うことは、結果的に親との思い出が増えていくことになります。
介護状態になってから、病気になってから思うのです。「たくさん合っておけばよかった」「たくさん話しておけばよかった」と。
その様な光景を見て私は思います。元気なうちにたくさん思い出を作った方がいい。介護状態になる前に病気になる前にもっとたくさん思い出を作っておこう。たくさんのケースから学ばさせていただいています。

元気な親と今後のことを考えながらたくさん話して思い出を残しましょう!

最後まで読んでいただきましてありがとうございました!

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